通訳の分類

通訳方式による分類

逐次通訳

スピーカーの話が適宜中断され、一区切りごとに通訳する方式。中断のタイミングは、スピーカーが判断して中断する場合もあれば、通訳者が割って入る場合もある。通訳者が割って入る場合、通訳に最適なタイミングで中断することになるため、通訳の質は高くなるが、「スピーカーの機嫌を損ねる可能性がある」、「会場の厳粛性が損なわれる可能性がある」といったマイナス点もあるため、格式の高い場面では、通訳者は、スピーカーの話に対するコントロールを一切持たない場合が多い。スピーカーが話を短く区切りすぎる場合の問題点には、「話した分量が少なすぎ、意味を確定できない」、「ベトナム語と外国語の間の文章構造の違いのために、日本語では一番最初に話された部分が、ベトナム語では、最後に表現する必要がある」、「日本語では、最後に否定表現(ではありません、とは思いません)が来ることがあるため、あまり急いで通訳をすると、誤訳になる」といったことがある。

同時通訳

ブースと呼ばれる、仕切られた小部屋に日本語⇔ベトナム語の通訳者が入り、ヘッドフォンを着用しスピーカーの話を聞き、マイクを通して通訳し、聴衆は、無線レシーバーを耳に着用して通訳を聞く方式。同時通訳が歴史上初めて大規模に採用されたのは、第2次世界大戦後のニュールンベルグ裁判で、実は歴史は比較的浅い。同時通訳は通訳者の疲労が大きいため、英語と日本語の同時通訳では、複数の同時通訳者が交互に通訳を行うことが多いが、タイ語やベトナム語の様なマイナー言語では、一人で1日を通して同時通訳を行うことが求められることが多い。この場合において、通訳報酬が倍になることもあれば、「ありがとうございます。助かります」という感謝の言葉で終わることもある。

簡易同時通訳

日本語⇔ベトナム語の通訳者がブースに入らずに、パナガイトなどの無線送受信装置を日本語⇔ベトナム語の通訳者と聴衆が利用して通訳を行う方式。

リレー通訳

複数の言語が使われる国際会議で採用されることが多い通訳方式。例えば、スピーカーが英語で話し、それをベトナム語とタイ語に話しをする場合に、ある通訳者が英語からタイ語に訳し、別の通訳者がタイ語からベトナム語に訳す。これによって、「ベトナム語の通訳者が、タイ語は通訳できるが、英語は通訳できない」という状況に対応できる。

サイト・トランスレーション

スピーカーがあらかじめ用意された原稿を読み上げる通訳方法。通訳者には、事前に準備をする時間が必要であるため、事前準備に対して追加での報酬を請求しない場合には、他の通訳方法と比べて、時間当たりの収入が少なくなる。

ウィスパリング通訳

実質的には同時通訳であるが、同時通訳のための機材を使わずに、通訳を必要とする人の横に付き、小声で通訳をする。自らが話している間にスピーカーの声を聞くことが出来ないため、通訳の精度、通訳をすることが出来る割合(つまり、1スピーカーの話した内容の内、どの程度を聞き手に伝えるかという割合)が低くなる。このため、ごく短時間の通訳以外には採用すべきではない。にも関わらず、通訳を依頼する側は、同時通訳と比べて簡単だと理解し、逐次通訳として依頼することがあるので、通訳者としては要確認。社内会議で使われることが多いが、社内通訳者には仕事を選ぶ権利はないのがつらいところ。